His story(3)
# ブラーミンとは:
高貴なブラーミン(僧侶階級)に生まれついても、皆が皆、僧侶になるわけではなく、僧侶としての修行に入るのはわずか10%に満たないそうです。
バラナシの一泊1500円程度のホテルのレセプションの親父さんたちも、ブラーミン階級が多いです。では、なぜ、そうとわかるのかというとーー
# ブラーミン階級の男性は肩からななめに聖なる紐をかけています。その聖紐は年に一度、7月か8月の吉日に新しい紐と取り替え、古い紐は川に流します。
どの川でも良いのです。なぜなら、ヒンドゥー文化圏に生きる人々にとっては、すべての川はガンジス川の支流なのですから。
これはインドに限らず、ネパール、インドネシアでも同じです。
# なぜ川なのか? それは、つねに流れており、いずれは海にそそぐから。
何よりも、ひとところにとどまり、「淀む」ことは良くない。人間の成長もまた同じという思想です。
# 画像 (1) カトマンドゥの自宅屋上にて、シャームジの後ろ姿。
肩からかけた聖紐を確認できます
(2) カトマンドゥ/ ハヌマンドゥカ(旧王宮広場)にて。2018/ Nov撮影
赤いスニーカーは昨年来日時、表参道で購入ーーといっても……。
購入の決心をするまでが大変で……。
セールで5,800円ほどだったのですが、
「僕のバラナシの下宿代は、一か月2500ルピーだ。インドルピーは円の約二倍だから、つまり、このスニーカーは僕の下宿代より高いということになるじゃないか。
だめだ、こんな高価な靴は、僕にはふさわしくない」といいつつ、何足も何足も試着し、店内をのしのし歩きまわり……。
店員さんの微笑がこわばってきた頃、ようやく、まなじりを決して、購入。
バラナシでは決して履かない赤いプーマ。なぜって、バザールも裏道も牛糞で汚いから。
それに僧職の身で、あまり目立ってはいけないから。
大切に手洗いして、日陰に干している赤いプーマ。
「日なたに干すと、赤が色褪せちゃうからね」
# ブランド品だろうが、なかろうが、モノを粗末にしない
使えるうちは徹底的に使う
直せるものは、自分で修理する
これがシャームジの素顔です。それは、質素で正直なネパール人の姿そのものです。
# 東京の街のあちこちに放置されている自転車。あれをネパールに送れば、人々は大喜びするでしょう。悪い部品は自分で修理する彼らから学ぶことは多い。
⁂ ハヌマンドゥカの寺院のつっかえ棒は:2015年4月25日のネパール大地震によるもの。復旧は着実に進んでいますが、いまだに、このようなつっかえ棒が目立ちます。
ネパール大地震については、次項で書きます。
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